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岩波書店から「世界名言集」が出版された。この本の良さは、「言葉の出典」をはっきり書いていてくれることだ。誰がどの著書の中で書いた言葉かがわかるのは、書いたり、語る仕事をしている私にとって、正確に言えるのでありがたい。 もう40年位前に何かの書物で「魯迅(ろじん)」の言葉だと読んで、忘れられない言葉として何回か語ったことがあるが、出典がどこであるか、また本当に「魯迅」の言葉であるか正確にわからなかった。「世界名言集」によって、出典がわかった。 「希望とは、もともとあるものともいえぬし、ないものともいえない。それは地上の道のようなものである。もともと地上には道はない。歩く人が多くなれば、それが道になるのだ」と。 私がおぼえていたのは、後半の「もともと地上には道はない。歩く人が多くなればそれが道になるのだ」という言葉であった。魯迅の前半の言葉がないと、後半の言葉のもつ意味が異なってくる。 牧師になって、伝道者として生きるために自分の全生活を打込んできたつもりだが、いわゆる牧師の枠を少し破ったような、仕事や責任をさせられてきた。教会の牧師以外のことは、そのときどき、やむをえず、今自分がしなければならないことであった。しかしやるからには勉強もしてその仕事も精一杯責任を果たしてきたつもりだ。人の批評と批判は、あれもこれもいろいろやりすぎると言われた。しかし、理解してくれる人は、それぞれの仕事の場で責任をもっている人たちと、共にすることを支えてくれた。 人間には、それぞれの与えられた賜物がある。ひとつしかできない人も、多くをする人も、神の前で同じ評価を受けると信じている。主イエスが「わたしは道であり、真理であり、命である。わたしを通らなければ、だれも父のもとに行くことができない」(ヨハネ14:6)といわれた。主イエスも、道なきところに、道をつくられた方だ。主の弟子のひとりとして、私も、牧師としても、ひとりの人間として、神を信じるひとすじの道をまず歩きはじめる者として生きていきたい。そこに主の示す道がつくられていくと信じている。 |
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松戸教会 牧師 石井錦一
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